カプラとの出会いの各々のエピソードです。

◉ヴァル
気ままに過ごしていたところカプラに懐柔されて彼女を守るという契約をした。
代償としてカプラから一定距離を置くと魔法の威力が半減する。
カプラとヴァルが出会うお話


◉コオリオ
街中で歩いていたカプラの財布をスろうとして失敗。
奴隷に売り飛ばされそうなところを「うちの子がごめんね」とカプラが引き取った。

「……なんでオレなんか助けたんだよ」
「いい子だと思ったからかな」
「……あんた変じゃん」
「えへ、それはヴァルにもよく言われる」
「財布も盗ろうとしたしばかって言ったのにさ」
頬袋を大きく膨らませる仕草が子供らしくて笑みがこぼれる。

「この後も行く場所ないんでしょ?私の荷物持ちしてもらえると助かるんだけど」

もちろんご飯と宿は保証するよ、とつければ透き通る赤目がパアッと明るくなった。
「メシくれんの!お前いい奴だな!!わかったついてく!!」


◉リピス
巨人オヤジのシェルターにいたが「知見を広めたい」と言ったら虎の獣人が訪ねてきた。
奥さんの方の店の顔見知りで人当たりがいいからトラウマも刺激されないだろうとのこと。

オヤジ「この子に色々な世界を見せてやって欲しい」
カプラ「それは素敵。じゃあバーに行ってみない?おしゃれな飲み物や素敵な演奏が聞けるから」
リピス「行ってみる」

いつもは感情を示さず淡々としているリピスがパタラの歌を聴いて目をキラキラさせている。
歌い終わったパタラが客席に降りてきて
「初めてみる顔ね、楽しそうにしてくれたのがこっちにも伝わってきたわ」
「あの、ほんと に、すてき、でした…!」
興奮で上手く言葉が出ないリピスの頭をポンと撫でて
「ありがと。また会えると嬉しいわ」と退場するパタラさん。

パタラの歌に感動して「私も誰かを感動させられる人になりたい」と意欲を見せる。
ちょうど興楽一座を作る話をしていたカプラが誘い一座に入った。
(ほぼ最強のボディガードがいるのとリピスの過去も話には聞いている、カプラが女であるから少なからず安心)


◉ホッポ
雇われて珍しい白色の虎の獣人を捕まえに行ったところを呆気なくヴァルの返り討ちに会う。
本来はそのまま土に返される予定だったがカプラが止めたので命拾いをする。

「興楽の一座を作ろうと思っているのだけど重いものを持てる人が欲しいなー」というカプラの提案に「もう1人増えてもいいなら」と条件付きで乗る。


◉パタラ
バーに何度かカプラ(とヴァル)が来て
「興楽一座を作りたいから一緒に世界を回らない?あなたがいればもっと面白い旅になると思う」
「魅力的ではあるわね、考えておくわ」
カプラ自身は好感が持てるが不自由のない生活を投げ打つ決定打がなかった。
そんな時にカプラがまだあどけなさの残る髪の綺麗な少女を連れてきた。その時のリピスの素直さと喜んでくれた顔が嬉しくていつもは降りない客席に気まぐれで降りてしまった。
後日お客の少ない時間帯にカプラが珍しく1人で来たと思えば
「この前の子、リピスっていうんだけどいい子だよね」
「ええ、久しぶりに純粋に応援された気がしたわ」
いつも笑みを浮かべている雪虎の友人だが、今日はいつもよりも意地の悪い笑みを浮かべたように思う。

「うちの一座で預かることになったの。
あなたと一緒だったらあの子も喜ぶし、何よりも成長できると思うんだけど……ねえ、一緒に旅をしない?」
「それ、答えがわかっている聞き方でしょう?」

言葉を繋げずただニッコリと首を傾げたカプラに口元で深く笑んで降参の意を示す。

「いいわ、あなたの旅に同行する。私は歌を届ければいいのよね?」
「さっすが。話が早くて助かる。約束するわ、絶対に面白い旅になる」

満足そうに瞳を輝かせるカプラも、この前の少女と同じ表情をしていた。
言い負けたわけではないがこちらの動きも彼女の計算のうちだと思うと少しばかり癪なので意趣返しをしてやろうと握手のための片手を差し出す。
「これからよろしく……カプラ座長?」
一瞬だけ面食らった珍しい顔が見れたのでご機嫌になったのは流石にバレただろう。
「私が入るって当日まで伏せておいた方が面白くなりそうね」
そう言ってイタズラに笑えば意を汲み取ったカプラに握手を返されて「パタラも結構ヒトが悪いよ?」とお互いに笑いあった。
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