人形の国編 プロット2

病弱なファラーシャの家に親友のツェルは毎日見舞いに行っていた

ある日行商人が町に来てツェルがとてもきれいな蝶の置物を見つける
家の外に出たことのないファラーシャに渡すととても気に入りベット脇にいつも置いていた

ファラーシャ14歳で病死
蝶の置物を形見としてツェルが持つ

ツェルは心の空白を埋めるために手先の器用さを利用して人形つくりをはじめる
いつしか工房を持ち人形士として生計を立てるようになった頃には一番の大作
等身大のファラーシャに良く似た球体関節の人形を完成させる

裕福ではないがそれなりに経験を積んではいたがファラーシャを失った空白感はどうしても拭えなかった

そんな時ライゼが訪れて願いを叶える精霊の宿った置物を探しているという話になった
飄々として胡散臭いから最初は信用していなかったが言動が異世界のもの過ぎて玉に興味画沸いた
話を聞こうと工房に招いたらライゼの様子が変わった

「ああ、探す手間が省けた」と
その視線はファラーシャの形見の置物に向いていた

ライゼはその置物を持ち帰る為にこの国に来たのだが
ツェルは絶対に渡さないと断固拒否
即刻工房から追い出す

精霊商が間違えて出してしまった希少なものだから調査と回収の依頼
詳しく調べて欲しいとのことでライゼはもう一回会おうとするがファラーシャを奪われてしまうと思い込んでいるツェルは店から出なくなった

そんなツェルに痺れを切らしたライゼが空間転移で強制的に工房に入り込み
「困らせないでもらえるか」と実力行使
魔術師は死者の魂とも会話が出来ると軽く嘘をついてファラーシャしか知りえないことを言う


それによりライゼすげーってなって話を聞く

頭の回転が速いツェルは開き直って
「本当に大事なものだしタダで形見を渡すわけにはいかない」
「魔術師サンならこの空白感を生める方法も知ってそうだしオシエテ?」


ライゼが無機物を指示通りに動かす魔法の使いかたや魔法陣の描き方などを教える
原理を教えてあとは自分で何とかしろと どっさりと魔法書を置いていく


ライゼが去った後も通信できるよう媒介のアイテム(※撮影に使えそうな魔法っぽい共通のなにか)を渡されているので映像と音声のやり取りが時空を超えて出来るようになる

もともとの器用さと要領のよさからファラーシャの人形を動かして覚えさせるのがすんなりできるようになる
そこでツェルがファラーシャとは名前の付かない関係だったが恋人よりも親友よりも大切な存在だったこと、その彼女を元に作ったこと
幼い頃の思い出や彼女の考え方を教え込んでいく
本来なら事細かに教え込んでいくものだが、そう時間はかからずに生きていた頃のファラーシャそっくりになった

通信にも魔力がいるのでライゼ側から掛けないと繋がらなかったが
あくる日、ツェル側から通信が入る

「置いていってもらった魔法書の中に通信魔法のやり方も載っていたのでやってみました」
そこには傍らにたたずんで自然に微笑んでいる動くファラーシャ人形の姿
どこか誇らしく、幸せそうなツェルにライゼも素直じゃない賛辞を送る


ここまでがツェル目線の『それでも生きていて欲しかった』の話



ここからがファラーシャ視点の『やさしい嘘』の話

ライゼの時系列的に、もう少し経ってから
今度はファラーシャから通信があって
「本人に言ってはないけど瞳を通じてずっと見てきた。感謝をしている。悔やまないで欲しい。それを伝えたいけど伝えるとツェルを傷つけて壊してしまいそうでこわい」と新規依頼が入る

ファラーシャは死の間際、置物に宿る精霊と契約をして「ツェルと一緒にいたい」という願いをかなえてもらった
心というか想いを体から置物に移す
その時点ではツェルに意思表示をすることなどは出来ないが置物の中に思念体のような物が入っているのでツェルのことをずっと近くで見てきた


(メモ 契約の代償は清廉であること。そうでなくなった時点で契約は切れて効力が失われる。精霊は自身が認めた者としか契約しない)

思念体なので魔法の心得があるような人物には置物の中にいながら意思疎通が可能
ライゼがツェルに魔法を教えたときに実はツェルに内緒で置物から等身大の人形に居場所を移し変えてもらっていた

通常よりもファラーシャとして生活が出来る速度が速かったのは魔法で人形の体を動かせるようになった後ツェルが献身的にファラーシャのことを教えてくれていたが本人の思念体が入っているため

しかしファラーシャが完璧に元の人格になった辺りでツェルが
「でも君は作られた命でいくら動かせたとしても大切な唯一無二のファラーシャが生きていることにはならない」みたいな感じで病み始める

ここでファラーシャが自分の意思で通信魔法を覚えてツェルに内緒でライゼに連絡する

「私の心はここにある」「私は全てを知っていた」「ずっと守ってくれていた」「感謝している」を伝えたい

ただ、それを人格まで作りこんだと思っているツェルに自分から言うのは難しいのでなんとか上手い言い方で伝えて欲しいと


ライゼがもう一度人形の国に飛んでツェルに会う


ここで一悶着あって(未定)
結果的に今そばにいるファラーシャは思い出の中の彼女ではなく実際に生きているに等しい彼女であるとツェルは理解する
ライゼ退場してしばらくしてから
空汰(緑)に載せた『焦げたトーストの話』に繋がる話になればいいと思ってる

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